プロダクションノート 9
ハロープロジェクトヴァージョンの「音声」について

開発の経緯

　ハロープロジェクトヴァージョンで新たに加わった要素中、データ容量の「重さ」、綱渡り的な作業日程……など、なにかと苦労が多かったものの代表格が「声」である。

　オリジナル版では終始無言だった「ギャルソン」が声を出すわけで、当然、どのような状況でどんなセリフを喋るようにするかのシナリオ部分は新しく作らねばならない。
　音のデータは単純に、長ければ長いほど容量を食う。
　極力短く、各場面の条件にあったセリフを……ということで、順序としては実はスタッフが多数のセリフ案をまず先にあげ、それらを個々のシチュエーションに割り振る、という手順でシナリオが作成されている。

　また、全員がまったく同じセリフを喋るのでは芸がないため、大半のシチュエーションに対しては複数のセリフ案が用意された。

・実際の音録り
　24人にのぼる出演者に、それぞれほぼ同数のセリフを喋ってもらうわけで、作業はかなり困難な上、やり直しのきかないぶっつけ本番、というプレッシャーもかかった部分だ。
　全体としては４日に分けて、スケジュールをおさえられる出演者から順次声を入れてもらうという手順になった。したがって録音場所は人によって異なる。
　どたん場になってあわてたのがココナッツ娘。の音録りで、メンバーのほとんどは日本語を読めないため、急きょ英語版を用意することになったりした。

・音の編集その他
　残念ながら録音そのものには立ち会えなかったのだけれど、録音からの音声抽出は筆者の仕事。
　基本的に1人平均30分ぶんほど(人による)のライブ音声からセリフ部分を範囲指定してデジタル音声ファイルに切り出す作業を行い、あらためて個々のシチュエーションに割り付けたわけだが、楽しかったのがこの「編集前のライブ録音」。
　なにしろ担当者との会話、モー娘。メンバーがマネージャと交わす軽いジョーク、NG……などなど、いろんなものが入っていて、ヘッドホンで聞きながら思わず笑ってしまったり、「へー、このコって普段はこんなふうなんだー」と、新鮮な感動を味わったり。むろんセリフ以外の内容は門外不出なので、残念ながらここで内容を公開することはできないが、こういうライブ音を聞いてると、どのコのカンがよくてどのコは不器用なタイプ、とか、メンバー個々の個性が如実に伝わってきて、なんとも面白い仕事だった。

　ともあれ、けっこう膨大なセリフをがんばって吹き込んでくれたハロプロメンバー全員に、あらためて「ありがとう」と申し上げておきますです。

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2001/11/27

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