●充実したヘルプシステム

　 Windows3.0 では、システム専用のオンラインヘルプシステムが最初から完備しています。
　プログラム名は WINHELP.EXE というのですが、この名前をユーザーが覚える必要はまったくなく、それぞれの Windows アプリケーションのメニューバー右端にたいていついている「ヘルプ(H)」を選ぶと、自動的にこのヘルプシステムが動作する仕掛けになっています。
　しかもこのヘルプシステム、単にマニュアルの文面がずらずら表示される、というような単純なものではなく、「ハイパーテキスト」と呼ばれる特殊な文書データ形式が採用されており、たとえば、

• あるヘルプ画面内の特定のキーワードについてもっと詳しく知りたいときは、そのキーワードをマウスで指定してクリックするだけで、それについての詳しい解説画面に切り替わる。
• ユーザー側で注釈を追加する「メモ」の機能がある。
• 前回参照した位置を覚えておく「しおり」の機能がある。

　などなど、便利な機能を豊富にそなえています。
　なにしろ「 Windows 」環境ですから、アプリケーションの実際の画面の横にこのヘルプシステムの画面を配置し、参照しながら操作することが可能なのも大きなメリットといえるでしょう。
　このヘルプシステム用のデータファイルの仕様は、 Windows 用アプリケーションを開発するプログラマー用に一般公開されており、 MS-Windows3.0 付属のユーティリティやアクセサリ類はもとより、他社製の Windows 対応アプリケーションからも利用できるようになっています。
　つまり Windows 対応の各アプリケーションは、このヘルプファイルだけ用意してしまえば、面倒なヘルプ表示用プログラムを自前で用意する必要がないのです。またユーザーの側からいえば、少なくとも各アプリケーションの「使い方の説明」のメニューそれ自体の操作はいつも同じ、ということになります。
　そういうわけで、考えようではばこの「ヘルプシステム」の操作に慣れることが、 Windows 環境に慣れる最短の近道といえるかもしれません。
　※ただし、中にはヘルプ機能が用意されていなかったり、あるいは独自のヘルプシステムを使用しているソフトもあります。
　ちなみに、ハードディスクの容量が不足ぎみのときには、膨大なヘルプメッセージの群れは少々邪魔に思えるかもしれません。この場合、ヘルプメッセージなしでも充分操作できる自信がすでにあるなら、消去してしまってもアプリケーションの動作には特に影響はありません。

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