●インストール作業は SETUP プログラムで全自動

　 MS-Windows3.0 を手持ちのパソコンに導入する作業は、「 SETUP.EXE 」と呼ばれるソフトウェアを使って行なわれます。
　この SETUP.EXE は、日本電気の Windows3.0 の場合だと、パッケージに含まれる 4 枚のフロッピーの 1 枚目に入っています。で、これを適当なフロッピーディスクドライブにセットして、
B:>SETUP
　とタイプしてリターンキーを押すと、動き出します。おっと、その前に、万一のために全ディスクのバックアップコピーはとっておいてくださいね。
　というわけで SETUP が動き出したら、最初に画面に表示されるメッセージにしたがって、これから Windows を導入するパソコンのシステム構成、導入するハードディスクの番号やディレクトリ名などを対話式に入力してゆきます。
　といっても、実際にはほとんど、ただ単にメッセージを確認してリターンキーを押すだけ。あとはフロッピーディスクに圧縮されて入っている MS-Windows のファイル群が、ハードディスクにコピーされていきます。
　※ Windows を導入するには、手持ちのハードディスクにざっと 8 メガバイトの空き容量が残っていなければならず、また主記憶の空き容量などにも条件があります。この条件を満たしているかどうかも SETUP プログラムがチェックし、何か問題がある場合は導入が中止されます。主記憶容量に関しては、ぎりぎりの状態だとセットアップ作業の動作が非常に遅くなったり、あるいは途中で停止してしまう可能性もありますので、常駐ソフトを取り除くなりして、なるべく空き容量を多めにしてから実行したほうがよいようです。

　……このあたりは通常の MS-DOS アプリケーションとそんなに変わりませんが、特徴的なのは、
「セットアップ作業の途中から、地味な DOS のテキスト画面を離れて実際に Windows そのものが動きだし、あとの作業はカラフルで変化に富んだ Windows 環境の中で行なうことができる」
　という点です。マウスが接続してあれば、それも使えます。このとき、 MS-DOS アプリケーション用のマウスドライバを常駐させておく必要はありません。
　そのため、「膨大なファイルをハードディスクにコピー」という、普通に考えればずいぶん退屈なはずの作業が、作業の進行につれて刻々変化する Windows の画面のおかげで、むしろゲーム感覚で楽しく行なえるのです。
　※とはいえ、少々時間がかかることに違いはありません。

　 Windows 本体の導入が終わると、 MS-DOS のアプリケーションの導入につきものの AUTOEXEC.BAT や CONFIG.SYS ファイルの変更なども自動的に行なってくれますし、ハードディスク内に Windows 対応アプリケーション(Windows2.1 対応のものなど)がすでにインストールされているなら、それを自動的に捜し出してメニューファイルに登録する作業などもやってくれます。
　前のバージョンの Windows では、ちょっとした再設定作業でも「一から導入のやりなおし」となるケースが多かったのですが、 3.0 ではこの SETUP.EXE を Windows の中から利用することによって、必要なデータやプログラムファイルの追加や変更だけですむようになっています。
　 Windows プログラム本体がバージョンアップされた際などには、最初の導入時と同様に DOS のプロンプトから SETUP.EXE を実行することになりますが、この場合にも画面の色設定、メニュー構成など、個々のユーザー独自の設定情報は消されることなくそのまま残るのでご安心を。
　 PC-9800 シリーズ用の Windows の場合でいえば、サウンドボードの使用/不使用、ネットワーク(LAN)への対応・非対応、マウスの有無などがそれで、これらは Windows の環境の中で、いつでも好きなときに変更ができます。
　また、万一 Windows のシステム構成をいじりすぎて立ち上がらなくなってしまった……などという場合も、 SETUP.EXE を DOS のプロンプトから再度実行するだけで大抵のトラブルは修正可能です。
　※ SETUP.EXE は、 MS-DOS のプロンプトから起動すれば DOS のアプリケーションとして、 Windows の上でメニューから呼び出せば Windows 対応アプリケーションとして動作する、ちょっとユニークなソフトなのです。

　なんで筆者がそういうことを知っているかというと……そう、そのテの失敗を何度もやらかしているからです。たはは。

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