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つくづく個性派ぞろい

"阪神タイガース"のサムライたち

伊良部秀輝井川慶矢野輝弘金本知憲星野仙一

text by YanaKen 2003/8 for H" contens:"顔de診断!カオロジィ"

伊良部秀輝

　なんといっても今年のプロ野球の主役は阪神タイガース。「いま目の前で"伝説"が作られてる」みたいなその勝ちっぷりの原動力の1人が、今年大リーグから日本に舞い戻ったばかりの伊良部秀輝投手(34)。
　ふてぶてしい顔だちや体型、不用意な言動やマイペースぶりなどで、日米どこでも"悪役"イメージがつきまとってきた彼。でも実はカオタイプはポピュラーオリジン。素朴で「いちず」で口ベタで、意外にカワイイ性格の持ち主だったりする。
　そんな彼の内面をずばり見抜いた(にちがいない)理解者＝星野監督。甲子園の地元・関西の風土(兵庫は彼自身の生まれ故郷でもある)。昨年から急上昇中の阪神自体のチーム力…など、すべての条件がうまく重なったことで、オリジンならではの爆発的パワーと集中力に火がついた、とみるのが正解だろう。
　6月に"日米通算100勝"を挙げ、7月23日にはヤクルトを7回無失点におさえて今期10勝め。「最高の舞台で迎えた人生最良の一年。やるときゃやるぜ」。今の彼に感じるのは、まさにそんな充実感そのものだ。

伊良部秀輝（いらぶ・ひでき）のプロフィール
生年月日／誕生日：1969年5月5日生まれ。アメリカ人の父、日本人の母を持つハーフ。
出身地：兵庫県
出身校：尽誠学園高校
身長193cm
投手、背番号41
1988年ロッテに入団、1994-1996年まで3年連続で2ケタ勝利。59勝59敗11セーブ防御率3.40。
1997年～2002年は米メジャーリーグ(ヤンキース、エクスポズ、レンジャース)で34勝35敗。

井川慶

　優勝街道まっしぐらの阪神タイガースの「エース」といえばこの人、背番号29番、井川慶。
　97年にプロ入りしたものの、5年間は年俸1千万にもならない下積み生活。それが2001年に急成長、2002年には14勝9敗・防御率2.49という成績を残し、今期は「球団生え抜き初の1億円投手(推定)」の座を獲得している。
　つまり、わずか2年で年俸10倍以上。
　普通の人間ならプレッシャーに負けちゃいそうな大出世だが、今年は7月30日時点で13勝3敗(完投5回、6月の月間MVP)、しかも球団史上35年ぶりの11連勝、という超超安定ぶりなのだから大したものだ。
　もっとも、今期は防御率などでみれば昨年より見劣りする面もあるが、それも見方をかえれば、「調子がイマイチでも最小限の失点におさえて味方の奮起を待つ」という「エースらしい働き」ができていることの証明といえそうだ。
　カオロジィからいうと、そんな彼の顔だちはトロピカルドラグーン。トロピカルの楽天性とドラグーンの「目立ちたがり精神」が、プレッシャーに押しつぶされることの少ない図太さや、ここぞというときの集中力につながっている、と分析できるだろう。

井川慶（いがわ・けい）のプロフィール
生年月日／誕生日：1979年7月13日
出身地：茨城県
出身校：水戸商業高校
身長：186cm
投手、背番号29
1997年に阪神に入団、1999年に1軍で7試合(1勝1敗)、2000年は9試合(1勝3敗)。
2001年にようやく1軍定着、29試合9勝13敗ながら防御率2.67。2002年以降は本文参照。

矢野輝弘

　さて今回は、阪神の「不動の正捕手」矢野輝弘選手。
　中日ドラゴンズの2番手キャッチャーとして頭角をあらわし、阪神に移籍(1998)してからはずっと正捕手。
　とくに昨年は、4月に左肩脱臼で1度リタイアしたものの、めげずに復帰して大活躍、オールスターにもファン投票で出場…しかし8月中旬に骨折でまたリタイア。けっきょくシーズンの半分を棒に振るハメになりました。
　そんな昨年の浮き沈みの「沈み」をなくして「浮き」ばかり集めたようなのが今シーズン。7月までフル出場、投手のリード役と打率3割5分近いバッティングの両面でめいっぱい活躍中で、初の「2ケタ本塁打」まで達成ずみ。
　気の早い話ですけど、今年のMVPにいちばんふさわしいヒトなんじゃないでしょうか。というか「矢野のいない阪神」がダメだったことは去年証明ずみなわけで…と、そんな気にさせる矢野選手。カオタイプは「仏像ふうの顔だちに切れ長の目」が特徴のドラグーンミカドニアンです。
　性格面では「オレがやってやる！」みたいな押しの強さと、人当たりのよい「おトノサマ」的ムードをあわせ持つタイプ。「自分がやるべきことはやりながら周囲の才能も上手に引き出す」という、まさに「チームのカナメ」の役回りにハマるタイプといえるでしょう。

矢野輝弘（やの・あきひろ）のプロフィール
生年月日／誕生日：1968年12月6日
出身地：大阪府
出身校：東北福祉大
身長：181cm
捕手、背番号39
1991年～1997年中日ドラゴンズで計349試合に出場。
1998年から阪神の正捕手として、ケガに泣いた昨年を除き毎年100試合以上に出場。2002年までの通算打率.266。2003年は(9/14現在)3割キープ中で、本塁打13本は自己最高。

金本知憲

　毎年恒例の「死のロード」にさしかかったと思ったら、たちまち主力の故障や不調が目だち始め、初の3連敗がそのまま4連敗につながってしまった阪神タイガース。
　そんな中でも安定した働きを続け、8月13日、連敗脱出の勝ち越しタイムリーをたたき出したのは金本知憲外野手(35歳)。
　このヒトは広島の主砲の座から昨年の末にFA権を行使、ことし阪神に加わったばかりだが、広島時代から「とにかく試合を休まない」「ケガを隠してでも出場にこだわる」ことで知られ、実際に99年7月から１イニングも休んだことがないという「現役最長記録」の保持者。チームの勢いが低下し、苦しくなればなるほど逆に存在感が増してくる。そんな「頼りになる」「安心して起用できる」タイプのプレイヤーだといえる。
　彼のカオタイプはドラグーンモンゴリアン。１イニングでも多く試合に出たいという「目だちたがり」な面はドラグーン気質のなせるワザと考えてよいだろうが、必然的について回る「ケガの痛みや疲労、精神的重圧」などのツラさを乗り切る我慢強さは、モンゴリアンの気質が土台だとみるべきだろう。

金本知憲（かねもと・ともあき）のプロフィール
生年月日／誕生日：1968年04月03日
出身地：広島県
出身校：東北福祉大学
身長：180cm
1992年～2002年、広島カープに在籍、1995年からは毎年100試合以上に出場。広島時代の通算打率.287、244本塁打708打点123盗塁。

星野仙一(別ページへ⇒）

当サイトの記事は、2003年初頭から2005年初頭にかけてＨ"向けコンテンツとして執筆した内容の再録（一部補筆）です。

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　祝リーグ優勝!

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